チルド水供給装置

バイオ・リファイナリー(再生可能資源であるバイオマスを原料にバイオ燃料や樹脂などを製造するプラントや技術)のシミュレーションソフト"BioSTEAM"のチルド水供給装置モデルの使い方について説明しています。一般的には機器を5~10℃に冷却する場合、通常の冷却水では十分に冷却できない可能性もあるので、チルド水での冷却になります。チルド水は、チラーと圧縮機を使った冷凍サイクルで生成し、冷却水で冷却する想定だと思われますが、構成部品のない、装置一式でのコスト試算になっています。オリジナルのページはChilledWaterPackageです。 ソースコードは以下の実行環境で確認しています。
  • Visual Studio Code バージョン: 1.104.2
  • 拡張機能:Jupyter バージョン 2025.8.0
  • Python 3.12.10
  • biosteam 2.52.13
  • graphviz-14.0.2

チルド水供給装置

class ChilledWaterPackage( ID='', agent=None ) [source]

システム内の'Chilled_water(冷水、チルド水)'による冷却負荷を集約し、'cooling_water(冷却水)'による冷却負荷に付け替え、Humbirdらの文献[1]と同様に設備コストと電力を計算するチルド水供給装置を作成します。

一般的には機器を5~10℃に冷却する場合、通常の冷却水では十分に冷却できない可能性もあるので、チルド水での冷却になります。チルド水は、チラーと圧縮機を使った冷凍サイクルで生成し、冷却水で冷却する想定だと思われますが、構成部品のない、装置一式でのコスト試算になっています。

  • パラメータ
    • ID (str、省略可) - 他で使われていない、一意の識別子(ID)。IDが指定されていない場合は、自動的に一意のIDが付与されます。
    • ins
    • 冷却水はシステム内の必要冷却量を集約して計算されます。
      • [0] recirculated_chilled_water
    • outs
      • [0] Chilled_water(冷水、チルド水)
  • 水とエタノールがそれぞれ200kmol/hrの混合水を50℃から25℃に冷却する状況を想定します。熱交換器hxの結果は想定通りになっています。
    import biosteam as bst
    bst.nbtutorial() # Ignore warnings and reset local BioSTEAM preferences
    from biosteam.units import HXutility
    from biosteam import Stream, settings
    
    settings.set_thermo(['Water', 'Ethanol'], cache=True)
    feed = Stream('feed', Water=200, Ethanol=200, T=323.15)  # 50 degC
    with bst.System('sys') as sys:
        hx = HXutility('hx', ins=feed, outs='product', T=298.15, # 25 degC
                   rigorous=False) # Ignore VLE
        CWP = bst.ChilledWaterPackage('CWP')
    sys.simulate()
    hx.show(T='degC',P='kPa')
    HXutility: hx
    ins...
    [0] feed  
        phase: 'l', T: 50 degC, P: 101.325 kPa
        flow (kmol/hr): Water    200
                        Ethanol  200
    outs...
    [0] product  
        phase: 'l', T: 25 degC, P: 101.325 kPa
        flow (kmol/hr): Water    200
                        Ethanol  200
    チルド水供給装置CWPの結果を見ると、637kmol/hrの流量が必要との計算になっているようです。
    CWP.show(T='degC',P='kPa')
    ChilledWaterPackage: CWP
    ins...
    [0] recirculated_chilled_water  
        phase: 'l', T: 27.222 degC, P: 101.325 kPa
        flow (kmol/hr): Water  637
    outs...
    [0] -  
        phase: 'l', T: 27.222 degC, P: 101.325 kPa
        flow (kmol/hr): Water  637
    results()の方も確認しておきます。
    CWP.results()
    Chilled water package Units CWP
    Electricity PowerkW41.6
    CostUSD/hr3.25
    Chilled water DutykJ/hr9.61e+05
    Flowkmol/hr-637
    CostUSD/hr-4.81
    Cooling water DutykJ/hr-9.61e+05
    Flowkmol/hr-637
    CostUSD/hr0.32
    Design Flow ratekmol/hr1.96e+04
    Purchase cost Chilled water packageUSD7.97e+04
    Total purchase cost USD7.97e+04
    Utility cost USD/hr-1.23
  • 注記
  • 熱交換器モデルとの関係ですが、図でシステムを確認すると、見た目では熱交換器hx と、チルド水供給装置CWP は接続されていません。

    熱交換器側のheat_utilityesを調べてみると、
    hx.heat_utilities
    [<chilled_water: -9.61e+05 kJ/hr, 637 kmol/hr, 4.81 USD/hr>]
    となっていて、チルド水供給装置側は
    CWP.heat_utilities
    [<chilled_water: 9.61e+05 kJ/hr, -637 kmol/hr, -4.81 USD/hr>,
    <cooling_water: -9.61e+05 kJ/hr, 656 kmol/hr, 0.32 USD/hr>]
    となっていてます。熱交換器のchilled_waterの冷却要求と、チルド水供給装置の'chilled_water'の供給熱量が打ち消しあうようになっていて、チルド水供給装置の'cooling water'冷却要求となっていることが確認できます。これは、CT 生成時にシステム内の他の機器ユニットのheat_utilityesの冷媒が'chilled_water'となっているheat_utilityesを集約し、打ち消すような熱量を計上し、同じ熱量を'cooling water'として計算するロジックになっているためです(_load_utility_agents())。

_units : dict [str, str] = {}

計算結果である辞書型配列 design_results の値の単位。
  • Duty : kJ/hr

_load_chilled_water_utilities()

システム内の他の機器ユニットのheat_utilityesの冷媒が'chilled_water'となっているheat_utilityesを集約し、'Cooling water'の冷却要求として出力します。

参考文献

  • [1]
    Humbird, D., Davis, R., Tao, L., Kinchin, C., Hsu, D., Aden, A., Dudgeon, D. (2011). Process Design and Economics for Biochemical Conversion of Lignocellulosic Biomass to Ethanol: Dilute-Acid Pretreatment and Enzymatic Hydrolysis of Corn Stover (No. NREL/TP-5100-47764, 1013269)

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